【問題 14】 以下に示す<事実関係>に基づいた場合、株主代表訴訟及び違法配当に関する①~⑤の記述において不適切なものの組合わせは、次のうちどれか。
<事実関係> 1.監査役設置会社である株式会社A社は、実質的な債務超過であった。 2.A社の代表取締役B氏は、業績悪化に対する株主からの非難を避けるため、分配可能額が存在しなかったにもかかわらず、株主総会決議を経て、株主に対して配当金の交付を行った。 3.その後、A社が実質的に債務超過であったことが公になったため、A社の発行済み株式総数1万株のうち300株(なお、A社に単元株の定めはないものとする。)を1年前から保有する株主C氏は、B氏に対して、A社のために損害賠償請求訴訟を提起した。 4.C氏は、予想外の多額の訴訟費用の支出が生じたことから、早期に当該訴訟を終了させるため、B氏との間で低廉な賠償金額により和解しようとしている。
①配当の効力発生日における分配可能額を超える額の配当は違法であることから、配当金を受領したA社の株主は、分配可能額を超えていることについて知っていたか否かにかかわらず、A社に対して受領した金銭を支払わなければならない。 ②B氏が、株主に交付された配当金全額に相当する金銭をA社に対して賠償した場合において、A社の株主に対して当該賠償額の求償を請求したときは、A社の株主は、分配可能額を超えていることについて知っていたか否かにかかわらず、この請求に応じなければならない。 ③C氏は、まず、A社に対して、B氏に対する損害賠償請求の訴えを提起するように書面で請求し、当該請求の日から60日以内にA社がこの訴えを提起しない場合には、C氏がA社のためにこの訴えを提起することが認められる。 ④C氏が保有するA社の株式数が1株であっても、B氏に対して、A社のために損害賠償請求訴訟を提起することができる。 ⑤C氏とB氏との間の損害賠償請求訴訟についての裁判上の和解が成立した場合において、A社がこの和解に異議を述べたとき、A社は、B氏に対して同一の請求原因に基づいて再訴することは妨げられないが、C氏以外のA社の株主が再訴することはできない。
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