【問題 9】 独占禁止法上の「優越的な地位の濫用」に関する以下の<考え方>を前提とした場合、優越的地位の濫用とされる可能性が最も低いものは、次のうちどれか。
<考え方>
役務提供取引(例えば清掃業務の委託を想定せよ)において、取引上優越的な地位にある委託者が、受託者に著しく低い対価での取引を要請する場合には、不当に不利益を受託者に与えることとなりやすく、優越的地位の濫用として問題を生じやすいとされる。他方で、委託者が要請する対価が受託者の見積りにおける対価に比べて著しく低いと認識される場合でも、委託者から要請のあった対価で受託しようとする同業者が他に存在する場合など、それが対価に係る交渉の一環として行われるものであって、その額が需給関係を反映したものであると認められる場合や、取引条件の違いを正当に反映したものであると認められる場合には、正常な商慣習に照らして不当に不利益を与えることとならず、優越的地位の濫用の問題とはならない。
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