売上総利益の求め方
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『売上総利益』とは
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売上総利益とは、、、
「売上高−売上原価」(基本的な公式)
で計算される利益であり、1年間の粗利益のことです。
企業が仕入れた商品や原材料になんらかの付加価値を付けて、仕入れた値段より高く販売することで得られた基本的な利益を表します。
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『売上原価』とは
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次に、売上原価ですが、簡単に述べると商品を仕入れたとき、または製造したときにかかる費用のことです。
中小企業診断士試験では、販売業か製造業において売上原価を求める問題がよく出ております。
〜売上原価を求める公式〜
【販売業】
期首商品棚卸高+当期商品仕入高−期末商品棚卸高
【製造業】
期首製品棚卸高+当期製品製造原価−期末製品棚卸高
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原材料の個数で分かりやすく例えると、
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(当期商品仕入高) |
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+ |
− |
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(期首製品棚卸高) |
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(期末製品棚卸高) |
4月1日
最初に20個ありました |
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1年間の間に
100個仕入れました |
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3月31日
残りは10個でした |
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ということは、
20個 + 100個 − 10個 = 110個
1年間に110個分の原材料が、売上原価の費用となったことが分かります。
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<平成15年度>
次のデータをもとに売上総利益の金額を求めるとき、最も適切なものはどれか。
総売上高 1,000千円 総仕入高 600千円 仕入値引 10千円
期首商品棚卸高 50千円 期末商品棚卸高 30千円 売上割引 15千円
ア 375千円
イ 390千円
ウ 400千円
エ 415千円
オ 430千円
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さて、この問題を解答するためには、”売上総利益”以外にも”値引”、”割引”についての知識が必要となります。
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『値引(ねびき)』とは
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取扱品の量目不足、品質不良(破損等)などの理由により価額を引き下げること。
・売上に関していれば、”売上値引”といい、売上高から控除する。
・仕入に関していれば、”仕入値引”といい、仕入高から控除する。
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『割戻(わりもどし)』とは |
大量購入をした場合に購入代金の戻しを受けること。
・売上に関していれば、”売上割戻”といい、売上高から控除する。
・仕入に関していれば、”仕入割戻”といい、仕入高から控除する。
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『返品(へんぴん)』とは |
仕入れたり買ったりした品物を返すこと。
(文字通りのことでして、皆様が思われていることそのものじゃないでしょうか。)
・売上に関していれば、”売上返品”といい、売上高から控除する。
・仕入に関していれば、”仕入返品”といい、仕入高から控除する。
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『割引(わりびき)』とは |
「割引」とは、掛け仕入代金を期日前に支払ったり、掛け売上高を期日前に受け取ったりする場合に、掛け代金の一部を免除すること。
このように、「割引」は金融の性格を持つものであり、その金額は「売上割引」勘定または「仕入割引」勘定で処理する。
・売上に関していれば、”売上割引”といい、営業外費用へ計上する。
・仕入に関していれば、”仕入割引”といい、営業外集計へ計上する。
注意!! 割引は売上高、仕入高でなく、営業外費用、営業外収益として計上する
というわけで、過去問を解いてみますと、
売上総利益 = 1,000 − (50 + 600 − 10 + 30) = 390 |
正解 イ |
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