「従来、我が国においては、取締役や監査役に対するいわゆる報酬(以下『役員報酬』という。)は、発生時に費用として会計処理し、取締役や監査役に対する役員賞与は、利益処分により、未処分利益の減少とする会計処理を行うことが一般的であった」(7項)
しかし、現行の会社法では、「役員賞与は、役員報酬とともに職務執行の対価として株式会社から受ける財産上の利益として整理され、定款に報酬等に関する一定の事項を定めていないときは、株主総会の決議(委員会設置会社における取締役、会計参与及び執行役については、報酬委員会の決定。以下同じ。)によって定めることとされた」(9項)
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「役員賞与は、発生した会計期間の費用として処理する」(3項)
- 役員賞与引当金の相手勘定は 役員賞与引当金繰入(費用の勘定)
「当事業年度の職務に係る役員賞与を期末後に開催され る株主総会の決議事項とする場合には、当該支給は株主総会の決議が前提となるので、当 該決議事項とする額又はその見込額(当事業年度の職務に係る額に限るものとする。)を、 原則として、引当金に計上する」(13 項)
「役員報酬は、確定報酬として支給される場合と 業績連動型報酬として支給される場合があるが、職務執行の対価として支給されることに かわりはなく、会計上は、いずれも費用として処理される。役員賞与は、経済的実態とし ては費用として処理される業績連動型報酬と同様の性格であると考えられるため、費用と して処理することが適当である」(12 項)
「役員賞与は、利益をあげた功労に報いるために 支給されるものであって、利益の有無にかかわらず職務執行の対価として支給される役員 報酬とは性格が異なるとの見解もあるが、会社の利益は職務執行の成果であり、この功労 に報いるために支給される役員賞与もやはり業績連動型の役員報酬と同様に職務執行の 対価と考えられる」(12 項)